製 品

ホタル石に代表されるフッ化物結晶は、真空雰囲気中において1000℃以上の高温で結晶を育成しなくてはならず、それには高度な装置・プロセス技術が必要とされます。キヤノンオプトロンでは、1968年にホタル石の量産化に成功して以来、永年にわたって培った高温真空技術や温度制御技術によって、今日までさまざまな光学用結晶材料を提供してまいりました。これらの材料は、従来の光学ガラスでは実現できなかった光学的性質を示し、望遠レンズなどの光学機器や分析装置などに幅広く利用され、光学製品の可能性を飛躍的に広げてきております。
ホタル石(CaF2)
透過波長領域が広いだけでなく、低屈折率・低分散率・異常分散性という特性を有しています。この特性を利用して、二次色収差を完全に除去した超色消し(アポクロマート)望遠レンズをはじめ、ズームレンズ、テレビカメラ、天体望遠鏡等の製品に利用されています。真空紫外域での透過率に優れたUVグレードもあります。

フッ化バリウム(BaF2)
赤外域においてフッ化物結晶としては最長の13μm波長までの広い透過波長領域を有しています。この特徴から、赤外線を使用した分析機器類や高出力赤外レーザー用の光学材料として利用されています。

結晶材料物性値一覧

| 結晶材料名 | CaF2 | BaF2 |
|---|---|---|
| 透過波長領域(µm) | 0.13~10 | 0.15~13 |
| 屈折率 | 1.435 (0.546µ) |
1.4756 (0.546µ) |
| 色 | 無色 | 無色 |
| 密度(g/cc) | 3.18 | 4.83 |
| 融点(℃) | 1418 | 1280 |
| 熱伝導率(cal/cm・sec・℃) | 0.0241(50℃) | 0.028(13℃) |
| 熱膨張係数(/℃) | 0.000024 (20~60℃) |
0.000018 (0~300℃) |
| 硬度(knoop数) | 158.3 | 82.0 |
| 比熱(cal/g・℃) | 0.211(50℃) | 0.098(27℃) |
| 溶解度(g・100gH2O) | 0.00151(20℃) | 0.162(30℃) |
| 分子量 | 78.08 | 175.36 |
| 結晶系 | 等軸晶系 | 等軸晶系 |
| 結晶構造 | ホタル石型 | ホタル石型 |
| へき開面 | {111} | {111} |
技 術

キヤノンオプトロンでは、半導体露光装置用として超高品質な大口径ホタル石の開発を行ってまいりました。その成果が認められ、2005年には日本結晶成長学会より技術賞を受賞しております。
高純度化技術
原料を高純度に精製する技術により、超高純度なホタル石を得ることができます。このホタル石は真空紫外域における透過特性に優れ、UVグレードとして紫外光の光学レンズとして利用されています。
大口径化技術
結晶成長およびアニール技術を進化させ、低複屈折で均質性の高い大口径ホタル石が得られるようになりました。屈折型大口径天体望遠鏡に採用され、日本各地の天文台に設置されています。



